【三毛別ヒグマ事件から110年】事件の起きた苫前町では今も巨大ヒグマの出没が続く…先人の思いを継ぐハンターや悲劇の記憶を後世に伝える取り組みなど―クマとの共生を模索する町の姿〈北海道苫前町〉
「2025年はやっぱり出方が異常。クマを捕ってこなかったから、繁殖したクマが『ここが自分たちの居場所だ』と感じている」(林会長)
雪が積もった2025年11月にも町に巨大なクマが現れ、いとも簡単に箱わなをなぎ倒しました。
今も町のどこかに身を潜めています。
「デントコーンを食ってダボダボになったやつかな。くだらないワナを仕掛けて俺を捕まえる気でいるなと言いながら、くるっと回って笑いながら去っていった、そんな感じ」(林会長)
「大川春義さんが亡くなって、息子高義さんが使っていた。形見ですよ」(林会長)
大川春義さんは、三毛別ヒグマ事件のクマを撃ち取ったハンターの弟子で、幼少期に三毛別で事件を目の当たりにしました。
息子の高義さんと親子で町民を守るためにクマを捕り続けたといいます。
高義さんのもとに嫁いだつゑ子さんは、当時クマを相手にする親子の姿に驚かされ続けたことを思い出します。
「クマの子っこ。こんなのを連れてきて。親クマを打ったから子っこが残った。一晩中ガオーガオーと鳴くの。えらい目に遭った」(故・高義さんの妻 大川つゑ子さん)
特に春義さんは、ある言葉を胸に故郷を荒らしたクマへの執念を燃やし続けた人生を歩んだといいます。
「父親が『春義や 敵討ちせい』と」(大川つゑ子さん)























