【三毛別ヒグマ事件から110年】事件の起きた苫前町では今も巨大ヒグマの出没が続く…先人の思いを継ぐハンターや悲劇の記憶を後世に伝える取り組みなど―クマとの共生を模索する町の姿〈北海道苫前町〉
史上最悪のクマによる被害「三毛別ヒグマ事件」。
北海道北部の苫前町で7人がヒグマに命を奪われました。
今も巨大なクマが出没を繰り返すこの町で、同じ悲劇を繰り返さない…先人の思いを継ぐハンターを追いました。
更に、400キロ級のクマが箱わなのまわりをうろつく姿も。
連日、出没するクマへの対応に追われているのが苫前町猟友会の会長、林豊行さんです。
「だいぶもらった時から使うと切れなくなるので、研いで、研いだ分だけ細くなっている」(苫前町猟友会 林豊行会長)
林さんがお守りとして持ち続けてきたのが1本の刀。
町内で110年前に発生したある悲劇の記憶とともに受け継がれてきたものです。
「二度とああいうことはあってはならない」(林会長)
「ヒグマ事件としては過去最大の事件」(苫前町郷土史研究会 伊藤通康会長)
大正4年12月9日、開拓地の民家にいた女性と男の子が突然現れたクマに襲われ犠牲に。
翌日、クマは2人の通夜にも乱入したうえ、別の民家をも標的にします。
「臨月のお母さんが襲われたが、お母さんが子どもを守るために『腹破らんでくれ。喉食って殺してくれ』と」(伊藤会長)
2日間で母親と身籠っていた子どもを含む7人の命が奪われました。
このヒグマは、体長2.7m、体重340キロのオスで、事件から5日後に駆除されました。
「冬眠を逸した。穴を持たないクマ『穴持たず』。そういった熊がお腹を空かして最終的に人間を襲った」(伊藤会長)

























